スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会(SP部会)
平成23年度技術講習会
日本真空協会スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会では,毎年,
技術講習会を開催しております.平成23年度は,下記のとおり,スパッタリン
グ技術を基礎から最先端まで徹底的に解説します.薄膜作製に携わる若手・中
堅技術者に適した講習会です.多数のご参加をお待ち申し上げます.
記
日 時 平成23年12月1日(木)午前 10:00 〜 12:00
午後 1:00 〜 4:30
会 場 機械振興会館6階6D-3号室
講 師 草野 英二(金沢工業大学教授,
前スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会長)
題 目 生産・開発現場のためのスパッタリング法
〜基礎から,ターゲット品質,パーティクル発生の抑制,そして
薄膜応力の制御まで〜
はじめに
スパッタリング法は,工業的に広く使われている薄膜作製法である.スパッタ
リング法の特徴として,基板温度を上げることなく,物性に優れた薄膜が得ら
れるということが挙げられる.これは,スパッタリング法においてターゲット
から発生した粒子が大きなエネルギーを持つがゆえである.しかしながら,同
時にこのスパッタ粒子の大きなエネルギーが異物の発生を引き起こしたり,薄
膜に大きな応力を残留させたりするといような短所をも生じさせることになる.
異物の発生,応力の残留と,それにともなう付着力の低下はプロセスやデバイ
スの信頼性を保証する上での大きな問題であり,スパッタリング法による薄膜
堆積において必ず遭遇する問題であるともいえる.本講習では,スパッタリン
グ法の技術基盤を学んでいくことにより,生産あるいは技術開発の現場におい
て遭遇するいろいろなトラブルに対応する力を身につけていくことを目標とし,
スパッタリングプロセスの特徴とスパッタリングプロセスにより得られる薄膜
物性の特徴を解説する.ぜひ,講義に参加し,スパッタリング法による薄膜生
産技術の改善あるいは新しいプロセス・デバイス開発に役立ててください.
講義内容
1.スパッタリング法の基礎技術
1.1 真空の基礎
1.2 プロセスプラズマの基礎
1.3 薄膜成長機構の基礎
2.スパッタリング法の基礎
2.1 スパッタリング現象とは
2.2 スパッタリング率
2.3 スパッタリングされた粒子の持つエネルギー
3.スパッタリング法により作製された薄膜の特徴
3.1 スパッタリングされた粒子の持つエネルギーの膜構造への影響
3.2 基板温度・放電圧力の膜構造への影響
4. いろいろなスパッタリング法
4.1 基本的なスパッタリング法
4.1.1 直流マグネストロンスパッタリング法
4.1.2 高周波スパッタリング法
4.1.3 イオンビームスパッタリング法
4.2 いろいろなスパッタリング法
4.2.1 アンバランストマグネトロンスパッタリング法
4.2.2 パルススパッタリング法
4.2.3 AC/MFスパッタリング法
4.2.4 イオン化スパッタリング法
5.反応性スパッタリング法
5.1 反応性スパッタリング法とは
5.2 反応性スパッタリング法と非反応性スパッタリング法の比較
5.3 化合物モードと金属モード
〜反応性スパッタリング法におけるスパッタリング率の低下〜
5.4 化合物薄膜堆積における薄膜堆積速度の向上
6. スパッタリングターゲット
6.1 スパッタリングターゲットの役割
6.2 スパッタリングターゲットの種類・作製方法
6.3 スパッタリングターゲットに求められる品質
7. スパッタリング薄膜の内部応力
7.1 内部応力とは
7.2 内部応力の発生メカニズム
7.3 内部応力の評価方法
7.4 薄膜の構造と内部応力
7.5 スパッタリング薄膜と内部応力の実例
7.6 応力の抑制手法
8. スパッタリング薄膜における付着と内部応力
8.1 薄膜の付着力とは
8.2 付着のメカニズム
8.3 薄膜の付着力の評価方法
8.4 付着力と応力
8.5 付着力の向上手法
9. スパッタリングプロセスにおける異物発生とその抑制
9.1 ターゲットからの異物発生とその抑制方法
9.2 基板ホルダー,防着板およびチャンパー壁からの異物発生と
その抑制方法
10. まとめ
10.1 スパッタリングプロセスの特徴のまとめ
10.2 トラブル対策に参考となる書籍
受講料(テキスト代,昼食代,消費税を含みます.)
スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会会員 10,000円
日本真空協会会員 30,000円
一般 40,000円
学生 5,000円
定員 30名
(スパッタリングおよびプラズマプロセス技術部会会員を優先させていただ
くことがございます.)
申し込み方法
日本真空協会事務局に申し込み用紙をご請求の上,11月25日(金)までに
お申し込み下さい.なお,定員になりしだい締め切らせていただきます.
一般社団法人日本真空協会事務局 担当:大工原 (ダイクハラ)
TEL: 03-3431-4395, FAX: 03-3433-5371
e-mail:ofc-vsj@vacuum-jp.org
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